女性医局では結婚・出産などで診療から短期間・あるいは長期間ブランクが空いた医師、あるいはご専門以外診療科を勉強されたい方に「研修サポート」を実施しています。女性医局研修サポートをきっかけに転科し、新たな分野で活躍される稲垣麻美先生 (湘南記念病院 かまくら乳がん・甲状腺センター)のからのメッセージを紹介します。
【女性医局研修サポートで転科された先生からのメッセージ 稲垣麻美先生 (湘南記念病院 かまくら乳がん・甲状腺センター)】
私の勤務している湘南記念病院は、静かで穏やかな鎌倉市にある小規模な病院です。
温かな雰囲気の中、アクティブに乳がん治療を行っている施設です。乳がん医療の分野で高名な土井卓子先生を中心に看護師、技師、薬剤師、クラーク、体験者コーディネーターと共に毎日慌しくはありますが、患者中心の医療を目指して日々尽力しています。
驚くようなタイミングで研修の打診が…
私がこの病院に勤務するまでは違う分野の外科に就いていたのですが、「自分の体力と能力は見合っているのだろうか」、「興味のある分野ではあっても自分が医師としてありたい姿なのだろうか?」などと迷い、今後を模索している時期がありました。
転科すると言っても他に興味のある科もなく、専門を持たないまま健診バイトだけの生活は避けたいと思っていました。ちょうどその時に、驚くようなタイミングで女性医局の方から「土井先生の下で研修してみませんか」、というお話を頂きました。
正直なことを言いますと、私は乳腺外科には興味がない状態でしたが、女性医局の方が、「土井先生がとても情熱を持って乳がん治療に携わっていらっしゃること」、「その下で研修をするととても勉強になること」を聞き、私がせっかく外科系を目指す女医であるなら、それを是非継続してみたらどうか、と勧められ、まず一度土井先生に会うことを決心しました。
やりたかったことがここにあったという実感
初めて土井先生にお会いして患者中心の医療を考えていらっしゃること、そのための環境作りを目指しているお話を伺い、私がやりたかったことがここにあるかもしれない、と思い、あまり迷うことも無く思い切ってこの世界に飛び込みました。
乳がんは患者との付き合いが10年以上と長く、化学療法、手術、再発転移、緩和医療など多岐に渡る医療を手がけます。他の疾患と違い、比較的若くて個性的な女性患者が多いので苦労することは多々ありますが、充実した日々を過ごしています。
「女性特有の患者ばかりの科には合わない」と思っていた、始める前の自分の想像とは違い、実際に乳がん医療に携わってみると自分に合っている分野だと実感します。このような分野に、そして豊かな経験を踏める場にめぐり合わせて頂き、女性医局の皆さまにも大変感謝しています。
今後は症例豊富な当院で研修を希望される先生方やコメディカルの方を受け入れられる環境を整え、患者やスタッフに還元できるよう自分自身のレベルを高めていきたいと思っております。
研修サポートの特徴
女性医師の中には、結婚・出産・育児・介護というステージにおいて一時的に離職するケースがあります。
数ヶ月程度なら問題ありませんが、1年以上診療行為から離れている場合の復帰は薬や医療機器の刷新、また通常の診察行為においてもすぐに現場復帰するには抵抗のある方がいらっしゃいます。
『女性医局』では、提携医療機関の協力によりそのような方の研修サポートサービスを提供します。
掲載元:女性医局 研修サポート