岡山大学病院が、インド大陸の南東に位置する人口約2000万人ほどの国家・スリランカに肺移植チームを派遣し、11月下旬に現地で肺の炎症を起こしている患者に生体肺移植手術を行うことが判明した。スリランカで生体肺移植が行われるのは、今回が初めてとなる。(参照:徳島県内で初の脳死腎移植手術)
執刀する呼吸器外科の大藤剛宏准教授の話によれば、スリランカの患者は60代男性。肺の炎症により呼吸がし辛くなる肺線維症を抱えており、現在は投薬による治療と人工呼吸を続けている。大藤氏は10日にコロンボの病院で患者の確認をするとともに設備や機材を見学し、手術の可否を判断する。移植が可能ならば、11月下旬には肺移植チーム15名がスリランカに渡航する。
岡山大学病院はこれまで国内最多となる90の肺移植を実施した実績を持ち、手術から5年後の生存率も80%と、国際心肺移植学会が2010年に集計した世界平均約50%を大幅に上回っている。