2005年9月、中絶手術の為の前処置を受けるために入院した女性(当時45歳)が、手術中に子宮から出血し、子宮の全摘手術を行った。その際に出血多量で死亡した事件をめぐって、女性の夫ら遺族が、産婦人科医院(閉院)の男性元院長と女性担当医を相手に損害賠償を求めた。3日、その判決が静岡地裁であった。清水知恵子裁判官は、「輸血の準備を怠り、高度な医療機関への転院を怠ったことが失血死につながった」として、元院長らの過失を認め、約1億1000万円の支払いを命じた。この事故をめぐっては、静岡地検は、「診療行為全般や当時の医療水準を考慮すると過失責任を問うのは困難」として、昨年7月に不起訴としていた。今回の判決を受け、遺族側は静岡検察審査会に異議を申し立てる考えだ。