【医学部志望動機を高めるために PartⅢ】
やはり家庭力が問われる?早期教育
さて、他人に頼るといっても誰に頼るべきか。家庭教師、学校の教師、塾講師などが挙げられようが、思春期の子どもにとって最も影響力があるのは(魅力的な)異性だったりする。
多少の危険性は覚悟の上で、イケメンの塾講師やキュートな家庭教師に諭してもらえれば子どもが急に生き生きし始める、なんてことが起こるかもしれない。
今までに東大医学部をはじめ、慶應、医科歯科、横市、千葉、名古屋、慈恵あたりの世間的にはとても優秀な医学生と接する機会があったが、それぞれに魅力的な学生で、もし子どもにこんな家庭教師がついてくれたらきっと憧れのお兄さんお姉さんとなり、俄然やる気も出るだろうと思う。問題はいい家庭教師をどうやって確保するかである(これは残念ながら公開することはできない。悪しからず)。
意外と影響力のあるTVと映画について
中高生に影響力のあるのは、TVドラマであろう。最近では「コードブルー」や「医龍」など医師や医療現場がフィーチャーされたものが人気だ。家庭での親子の会話に取り入れてみてはいかがだろう。その際にありがちなのは、医師である親たちは「バカバカしい、実際にはありえないな」など、ケチを付けたくなるだろうが、そこはグッと我慢して、「専門家の立場からいえば実はこれは○○で△△なんだよ」などと真剣かつ冷静にコメントしてあげることで親を見る眼も少しは変わるはずだ。
子どもからしてみると親は存在が近すぎる分悪いところや足りないところが先に目に付く。だからこそ、時々子どもの知らない一面(特にプロフェッショナルとしての顔)を見せてあげることが効果的だ。仕事で疲弊してボロボロになった姿しか見せていないお母さん、輝いているお母さんのほうが子どもは言うことを聞きますよ!
そして、時には映画(DVDも)を見せてあげるのもいい。堤真一主演の「孤高のメス」は、息子のモティベーションを上げるには効果的だ。堤扮する外科医当麻鉄彦がしばらくの間理想の医師像となることだろう。
もっとも子どもと一緒に観るのは照れくさい。あまりに誘導的、恣意的だと親の意図を見透かされてしまい、しばらくは何をやっても効果がなくなることは承知しておかなくてはなるまい。
最近の子どもは、読書ではなかなか心が動かなくなっているらしいが、医師で漫画家でもある茨木保(いばらぎ・たもつ)氏の「医師という生き方」(ペリカン社)は良書である。中学生以上であれば誰でも読めるレベルで、著名な医師達の美談だけにとどまらず苦労話やマイナス面など人間味溢れるエピソードを取り入れ、様々な生き方を紹介している。読むと勉強したくなるような内容だ。是非学校の指定図書にしてほしいと思う本だ。
七沢英文(ななさわ・ひでふみ)
中央大学法学部卒 塾講師、家庭教師などを経験。
1997年より医学部受験専門予備校YMS講師、現在YMS取締役兼同機関誌「Lattice」編集長。
NPO法人「ジャパンハート」理事。
趣味:オートバイ、車、写真、映画鑑賞、麻雀、料理、旅行など (しかし、現在まったくできない状況、泣!)
※記事掲載元:「医学部志望動機を高めるために PartⅢ」(閲覧には会員登録が必要です)