今年度医学部受験報告!
今年も医学部入試がほぼ終了した。今回は、今年の医学部受験を振り返ってみたい。
毎年わがYMSでは、100名強の医学部受験生を指導してきたが、今のところ、慈恵5名。順天堂13名、日医20名、昭和25名の一次合格を果たし、まずまずの実績を出している。そして、私の担任する生徒でも、成績上位者はほぼ目標通りの成果を上げることができたと思う。下位者に関しては今後の補欠合格の動向によって結果が大きく左右するのでまだコメントできないが、例年以上に競争は激化しているので苦戦を強いられている感は否めない。
今年の医学部受験秘話
今年の医学部受験を振り返って感じたことの一つに、まともに受験して難関校に合格するのは極めて難しく、巷でよく言われるように、国公立私立を問わず上位校に合格するのは東大に合格するのとほぼ同じくらいの学力を要するというのが本当であることだ。一方、医学部受験には様々な方法があり、うまくその方法を利用すれば比較的容易に難関医学部に合格することも可能であることもわかってきた。一つが推薦入試とAO入試。そしてもう一つが、センター利用(特に地域枠入試)だ。今年指導した生徒の中に、九州福岡の出身の女子がいたが、彼女は推薦で女子医大を不合格、その後一般入試では私立医学部の全てに失敗したのだが、センター利用で出願した愛知医科大、昭和大学に正規合格、見事にリベンジを果たした。彼女のセンター試験の結果はなんと80%で、一般的には医学部合格には程遠い成績であったにもかかわらず、である。
これは、現役で、出身地が九州ということでの地域枠受験だからこそ可能になったのだ。昨年も東京の豊島ヶ岡女子の現役の女子生徒が、センター試験85%で、昭和大学の正規合格を勝ち取っている。難関の昭和大学攻略法の穴と言ってもよいだろう。愛知医科大や藤田保健衛生大も同様のレベルである。他に杏林大学、獨協医科大学や帝京大学はセンター利用の受験が可能でありながら国語や社会を必要としない(ただし得点率は90%近く必要)。推薦試験でも川崎医科大や岩手医科大の地域枠推薦試験のハードルはかなり低い。など、難化傾向の続く医学部入試であっても推薦やAO、地域枠をうまく活用することで偏差値ではとても届かない大学に合格することも可能となる。
さて、では既に浪人が確定して、推薦を受けるにも内申点が足りないとか、地方大学に行くのもできれば避けたいと思っている受験生はどうすればよいのだろうか。やはり学力を上げてまともに闘うしかない。やはりそうかと諦めず先を読んで欲しい。医学部入試は大変だが、諦めずにやれば可能性は高まる。そしてその方法もあるのだ。
七沢英文(ななさわ・ひでふみ)
中央大学法学部卒 塾講師、家庭教師などを経験。
1997年より医学部受験専門予備校YMS講師、現在YMS取締役兼同機関誌「Lattice」編集長。
NPO法人「ジャパンハート」理事。
趣味:オートバイ、車、写真、映画鑑賞、麻雀、料理、旅行など (しかし、現在まったくできない状況、泣!)
※記事掲載元:「今年度医学部受験報告!」(閲覧には会員登録が必要です)