人間の皮膚細胞から、iPS細胞を経由せずに直接神経細胞を作ることに成功したと、スタンフォード大学の研究チームが公表した。(参考:iPS細胞の作製効率を30倍にアップ。さらにがんになりにくく)
このような細胞から目的の細胞を直接作る方法は「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれ、現在は主にマウスでの研究が主だが、近年は別のチームが血液細胞の生成に成功するなど、研究が進められている。
チームは昨年、マウスの細胞に3種の遺伝子を導入することにより直接細胞を作ることに成功していたが、人間の神経細胞生成に成功したのは今回が初となる。iPS細胞で憂慮されている細胞のがん化の危険性を避けることができ、将来の再生医療や現代の医療技術では治療が難しい難病の仕組みの解明などへの応用が期待される。