京都大の医師・金谷久美子氏と助教・伊藤功朗氏たちは、黄砂が中国大陸から飛来した日には、小学生がぜんそくの発作で入院するリスクが3倍に高まることを突き止めたという。
アメリカの胸部疾患学会誌で発表した。
金谷氏たちは、2005年から09年の2~4月、富山県内の基幹病院8つを調査した。ぜんそくで入院した15歳までの計620人について、入院前の1週間に黄砂が飛来した日の有無を調査。入院とは無関係な時期の黄砂の有無も調べ、比較した。
その結果、黄砂の日の入院リスクは1.9倍、小学生に限ると3.3倍高かったという。黄砂から1週間は、入院リスクが普段の1.8倍という状況が続いていた。
また、男子は黄砂当日の入院が、女子は数日後の入院が多かったという。
伊藤氏は、黄砂予報を活用して窓を閉めるなどの対策を講じれば、入院を必要とする程の発作は減らせるのではないかと述べている。