近年では医療現場で漢方を処方するまたは、患者側から漢方治療を受けたいと言うケースが増えているが、漢方医学について深い知識を持つ人は少ない。そんな漢方の世界をわかりやすく解説しているのが渡辺賢治慶応大教授著書の「漢方医学」である。
(参照:漢方ポータルサイトの「Kampo view(漢方ビュー)」スマフォ版サイトが誕生)
もともと漢方について学ぶために医学部に入学した渡辺教授は、恩師の助言により漢方をより理解するために漢方からではなく西洋医学から学び博士号取得や留学を経て漢方医学への道へ進んだという。漢方だけを学び専門としているだけではなく、医学全般を学んだ渡辺教授だからこそ日本独自の漢方医学が近代の西洋医学と、どう融合しながら関わってきているかを、丁寧な解説でわかりやすく本書でまとめている。さにら、副作用や治療に適した分野の他、「虚・実」「気・血・水」などの東洋思想の世界観や治療の現場まで漢方医学についての幅広い解説が書かれているおり、漢方医学について学びやすい一冊となっている。
日本以外のアジア諸国では、西洋医学の他に「伝統医学」の医師ライセンスを発行している国もあり、近代医学のみならず、医療の分野において漢方治療を学び、東洋独自の「伝統医学」の知識を満遍なく学ぶことができるための本となっている。
「漢方医学」
著者:渡辺賢治
価格:定価1,575円(税込)
講談社