今年に入り、麻疹(はしか)の感染患者数が急激に増加している。国立感染症研究所では25日、患者数を報告するとともに予防接種を受けるように注意喚起した。
(参照:平成26年度「子ども予防接種週間」 土曜日・日曜日・平日の夜間にも対応)
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今年から2月19日までに麻疹に感染した患者数は103人となり、すでに昨年の年間患者数232人の半数近くの数字に達している。麻疹は春から夏に流行するといわれているが、今年は異例となった。その主な要因として、海外で感染し帰国後発症するケースである。
国内では2008年に1万人以上の麻疹による感染患者の報告があったが、その後減少傾向となり2015年には世界保健機関WHOの麻しん排除認定の取得を目指していた。しかし、その一方で海外から持ち込まれる麻疹ウイルスによる感染・発症のケースが増えている。感染患者のうち4割近くが麻疹の流行国であるフィリピンやインドネシアへの渡航歴が確認された。麻疹には有効な治療薬がなく、重症化すると肺炎や脳炎などになることもある。しかしワクチン接種で予防が可能であるため感染を広げない為にも国立感染症研究所では海外渡航の際には予防接種するように積極的な呼びかけをしている。