日本産科婦人科学会の発表によると昨年4月から開始された新型出生前診断を7775人が受診。開始半年と比べると受診者数は増加傾向となっている。(参照:日本は風疹の流行ワースト国入り 米国の疾病対策センター発表)
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新型出生前診断は、母体血を用いた検査方法であり、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAから染色体異常を調べるものである。この診断は35歳位以上の妊婦を対象としており、実施している病院は計37病院。今回の報告の受診する妊婦の平均年齢は38.3歳であった。
受診者7775人のうち陽性判定がでたのは141人。陰性の場合は100%近い割合で異常がないとされており、異常がある場合は極めて低い。陽性と判定が出た場合は、羊水検査や絨毛検査などの確定診断が必要となる。現在、異常が確定または中絶をした人の人数は確定できてはいないが、開始半年の受診者の中で異常が確定した56人のうち9割が中絶を選択。
検査を実施した医療機関の専門医、遺伝カウンセラーら115人からのアンケート回答では、検査希望者の遺伝の基礎知識について64%が「不十分である」と回答しており、「知識をもっている」への回答は4%だった。妊婦によって知識に差が大きくあるため、今後検査を実施して行く上で認識不十分とされている遺伝の基礎知識についても課題となる。