医療機器メーカーの大研医器と岡山大学が共同開発した体温調節装置「クーデックアイクール」は心肺停止間者の心拍再開前に脳を冷却し神経細胞のダメージを軽減する装置である。今年2月28日に製造販売承認を取得し300床以上の大規模病院を対象に普及を目指している。
(参照:早稲田大学らが共同開発 可視化技術で鉗子を透明化に)
心肺停止間者の心拍再開前に脳を冷却するという装置は世界初となり、心肺停止患者の生存率の向上や蘇生後の脳への障害軽減への効果も立証されている。現在、心肺停止患者に対して行われている一般的な療法は心拍再開後に冷却シートを体表に密着させ体温を下げる「低体温療法」である。しかしこの方法では脳の冷却へは時間がかかっていた。「クーデックアイクール」は、咽頭部に冷却機器を挿入し動脈を冷やすこのにより脳を冷却するというもの。開発のきっかけは「かき氷」で、かき氷を食べた時に頭がキーンとするという点に着目して咽頭を冷やすことで血行を利用し脳も冷却できるのではと開発を進めた。
将来的には海外や救急現場でも対応可能な携帯型などの開発も進めていくことも視野に入れている。