25日、第三者精子提供「非配偶者間人工授精」(AID)で生まれた子どもらが約100人が集まり親を知る権利保障についてのシンポジウムが行われた。
(参照:「新型出生前診断」受診者数は7775人 開始半年よりも受診者が増加傾向)
Photo:Pirates By Lōlu
AIDは第三者精子提供による人工授精であり、不妊症などの悩みを抱える夫婦が選択するひとつの方法としてその利用が増加傾向にある。日本でAIDで生まれた子どもは1万人を超えており、遺伝上の父親について知るすべもない子どもたちは自身の出生について多くの苦しみや悩みを抱えている。
シンポジウムはAIDで生まれた子どもたちのグループにより開かれ、「出自を知る権利」が議論された。参加した子どもたちからは、「事実を知ったときの、これまでの人生がうそのように感じた」「遺伝上の父親が分からないことで苦しみが続いている」などの声が挙がり、出自に対する葛藤や戸惑いが感じ取られた。さらにAIDは夫婦間だけでなく子どもも治療の当事者であり、出自を知る権利があるとして訴えた。現在、イギリスや欧米諸国では法律により第三者精子提供者を知る権利が保証されている。日本でも法律で保証するべく法案作りを進めている。