日本外科学会は先日、女性外科医の妊娠や出産、育児への支援状況に関するアンケート調査結果を発表した。調査結果によると、外科のある医学部や医科大学付属病院のうち約半数が「妊娠中の当直免除の規定がない」と回答したことが分かった。
(参照:医療現場で長く働く―岐阜県が医療勤務環境改善支援センターを開設)
アンケート調査は女性外科医の就労継続を目的とした妊娠・出産・育児支援の状況を把握するものである。調査は外科のある全国の医学部や医科大学附属病院を対象に実施し、130施設のうち114施設から回答を得た。
妊娠中の当直免除の規定について「ある」と回答したのは49施設、「ない」は半数を超える52施設、「前例がない」は13施設だった。「ある」と回答した49施設のうち本人の申し出は78%にあたる38施設で、診療部長の裁量によるものは16%の8施設。女性医師の継続就労支援を目的とした制度について「ある」は89%の102施設。「ない」は7%の8施設で「建設予定」は4%の4施設だった。支援制度では常勤の短時間正規雇用制度が最も多く、時間外勤務の免除、非常勤の勤務時間の短縮、当直免除があげられた。利用機会の理由としては育児・介護がもっとも多かった。
調査の詳細な結果は日本外科学会のホームページに掲載されている。日本外科学会 男女共同参画委員会(旧女性外科医支援委員会)の前田 耕太郎 委員長は「これまで調査されなかった内容も含み広範囲で質が高い。支援を必要と人や施策する人へ役立つ内容である」とコメントしている。