富山県公害健康被害認定審査会は3日、富山市在住の男性2人がイタイイタイ病に認定相当という審査結果を出した。県が正式に認定すると2011年以来となる。新たに認定される2人が加わればイタイイタイ病の認定患者は198人、そのうち生存者は5人となる。
(参照:増加する手足口病患者・・・警報基準値超える地域が続出)
Photo:Dirty River 2 By Ran Yaniv Hartstein
イタイイタイ病は、富山県の神通川上流にある神岡鉱山から流出したカドミウムが原因とされており、腎臓障害や骨がもろくなるなどの症状がみられる。新たに認定される2人は88歳と87歳の男性2人。昨年の1月に認定の申請を行い精密検査を受けていた。認定にはカドミウムに汚染された環境での生活歴、成年期以降の発症、尿細管障害、骨粗しょう症を伴う骨軟化症の項目を満たす必要がある。認定されると三井金属鉱業から医療費を受けることができる。男性2人は将来イタイイタイ病になる可能性があるとして「要観察者」とされていたが、今回ようやく患者認定を受けた。昨年10月に同じく富山市在住の89歳の女性が認定申請をしたが、骨粗しょう症は認められたものの骨軟化症が認められず認定されなかった。