国立感染症研究所の報告によると、性感染症の梅毒患者数が昨年の同時期と比べて4割増の888人であることがわかった。とくに東京都は最多の患者数となり、研究所は急激な増加を危惧し検査をするよう呼びかけている。
(参照:エイズウイルス2013年度の調査 HIV感染者・患者の多さ過去2番目)
Photo:Syphilitic gumma Case 278 By Pulmonary Pathology
国立感染症研究所のまとめによると、梅毒患者数は感染症発生動向調査事業を開始した1999年以降で最多を記録。急激な増加傾向となっている。7月27日の時点で患者数は888人。東京都が最も多く278人、次に大阪で124人、愛知で73人、神奈川で63人と続く。患者の8割が男性であり、推定感染経路では同性間が半数を占め、異性間は33%だった。
梅毒は皮膚や粘膜などの傷から感染し全身へ広がっていく。かつては不治の病とも言われたが、現在では早期治療で完治する病気である。梅毒に感染するとHIVにも数倍感染しやすくなるといわれている。さらに妊娠している人が梅毒に感染すると流産や死産へのリスクへもつながる。東京都では保健所で無料の性感染症検査ができるとして検査を呼びかけている。