鹿児島県鹿屋市の国立療養所星塚敬愛園にて、ハンセン病問題について正しい知識を身につけ理解してもらうため、親子や教師を対象とした療養所の見学や入所者との交流などを組み込んだ療養所訪問事業が先日行われた。
(参照:岩手 地域医療の理解を深めるサマーガイダンスを開催)
国立療養所星塚敬愛園は鹿児島県鹿屋市にある国立ハンセン病療養所である。今回、小中高生とその保護者、教師ら81人が参加。隔離された環境での生活について説明を受け、入所者宅などを訪問した。自治会長である岩川洋一郎氏は、12歳で強制収容され園内で結婚、妻が妊娠したが中絶を強要され、子を持つ権利も育てる権利も奪われたと自身の人生を振り返り、参加者に話をした。現在、入所者は168人で平均年齢は84歳であり、皆が悲しくつらい体験をしてきたと説明。近年では地域と共生した施設を目指して活動している。
参加した子どもは「入所者の方々がつらく大変な思いをしてきたこと、そういう歴史を私たちが語り継ぐことが大切」と振り返った。