抗生剤の乱用は、薬物耐性のある「スーパーバグ(超強力細菌)」を生むリスクをはらんでいる。インドでは抗生剤が手に入りやすく、薬剤耐性菌を増加させやすい衛生環境もあり、その多用が問題となっている。
(参照:家族にも薬の譲渡はダメ くすりの10か条を作成)
Photo:Pharmacy, Gangtok, India By flowcomm
インドでは46種類の強力な抗生剤が処方箋なしで販売されている。大した症状でなくても気軽に手に入る抗生剤を服用する人が多く、薬物耐性のある「スーパーバグ(超強力細菌)」や「多剤耐性結核」の症例が増加している。インド政府は昨年、46種類の強力な抗生剤の処方箋なしの販売を禁止にするほか、抗生剤の製造・販売過程をチェック、処方箋の記録を付けるなどの対応へ乗り出した。今年12月までには新政策の準備が整うとしているが、導入にはさらに期間がかかる見通しである。
2010年にはニューデリーで抗生剤がほとんど効かない新型スーパー耐性菌「NDM-1」が発見され世界中でパニックが起きた。インド医薬品規制当局は、抗生剤への耐性が上がると軽い病気も治すことができなくなるかもしれないと警鐘を鳴らしている。