東京の代々木公園から感染が広がっているデング熱。さらに14人の感染が確認され、感染者数は48人となった。この事態を受け、デング熱の流行地域のひとつでもあるタイのバンコクで研究にあたる日本人研究者の小西英二教授はワクチン開発の重要性を訴えている。
(参照:エボラ出血熱 リベリアで支援活動をした医師が語る過酷な医療現場)
Photo:Mosquito bite By dr_relling
小西教授はバンコクにあるマヒドン大学に設置されている大阪大学の微生物病研究所で研究にあたっている。タイはデング熱の感染者数が1年間で15万人を超えるという流行地域である。小西教授はデング熱について、体内で作られる抗体が逆にウイルスを増やす作用を持つこともあると指摘。そのため、ワクチンがウイルスを増強してしまうことに懸念を抱いているという。しかし同時に、その可能性を最大限減らした安全なワクチン作りが必要であると訴えている。
デング熱は人から人への感染はしないが、代々木公園周辺を訪れた人から感染報告が増えており、蚊を介しての感染が考えられることから、厚生労働省では代々木公園周辺で蚊に刺され発熱などの症状がみられる場合は医療機関を受診するよう呼びかけている。