京都大大学院の森和俊教授が、米国のノーベル賞ともいわれるラスカー賞を受賞。9日、会見を開き「光栄に思う」と喜びのコメントとともに、25年にわたる研究を振り返った。
(参照:ノーベル財団 2014年度のノーベル賞発表・受賞式の日程を発表)
森教授は、細胞内の小胞体という小器官で、たんぱく質が正しく機能するうえでどのような仕組みが働いているのかについて研究を重ねてきた。教授によると「酵母を使用して始めた地道な研究」ということだったが、その結果、異常になったたんぱく質が細胞へ悪影響を及ぼさないようにする仕組みを解明するまでに至った。この研究は糖尿病やパーキンソン病の治療にもつながるとして、その大きな可能性を期待されている。
会見で受賞の喜びを語る森教授は長き研究日々を振り返り、1990年代の米カリフォルニア大サンフランシスコ校のピーター・ウォルター教授との研究競争の日々を語った。ウォルター教授も共同受賞しており今ではハグをし合う仲であるという。日本人のラスカー賞受賞は2009年の人工多能性幹細胞(iPS細胞)でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授に続き7人目。ラスカー賞の受賞者の2割はノーベル賞を受賞している。