近年、男女共に晩婚化、晩産化が進み、子どもが欲しいと思っても不妊症に悩む夫婦は少なくない。不妊症は女性だけでなく男性側が原因となる場合もある。福島医大医学部泌尿器科学講座は、男性不妊症の治療において県内初となる「顕微鏡下精巣内精子採取術(MD-TESE)」を導入することを発表した。
(参照:27人に1人が体外受精 1年間で3万8000人が産まれ過去最多)
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男性の不妊症でもっとも多いのは乏精子症で、次に無精子症、精子無力症と続き、男性の10人に1人は精子に問題を抱えているともいわれている。MD-TESEは、顕微鏡で精巣を観察し、精子がありそうな組織を採取するもので、肉眼で精巣観察をしていた従来の方法よりも採精率が高いとされている。新たな治療法は東京など都市部に多く、県内では初の試みとなる。
同講座の小島祥敬教授は、不妊に悩む夫婦に受診して欲しいと話している。その他、「閉塞性無精子症」という精子の通り道が塞がれてしまうことにより精子が出なくなってしまった際の精路再建手術の導入も行う。