赤ちゃんポスト 重視すべきは匿名性か、親を知る権利か

熊本市慈恵病院にある赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」。今回、医師や有識者によって、今年3月までの2年半に預けられた子どもに関する検証報告が行われた。約4割の子どもが身元不明という結果となり、親を知る権利について対策が求められている。
(参照:第三者からの精子提供 親を知る権利のシンポジウムを開催

image by 慈恵病院

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医師や有識者らでつくる市の専門部会が26日、検証報告書を公表。「こうのとりのゆりかご」は2007年5月に開設され、約2年毎に専門部会が報告書をまとめてきた。今回は第3期となり、2011年10月から今年3月までの状況を検証。開設からこれまでに預けられたのは101名。第3期は20名預けられ、そのうち40%にあたる8名が身元が分からず、9名が低体重や低体温などで治療が必要ということがわかった。誰にも相談できず自宅で出産したと思われるケースも増えており、子どもだけでなく母親の生命の危険もあると強調。さらに前期と比べ身元が分からない子どもの数も増加しており、親を知る権利を保証するよう指摘した。

一方で報告書提出を受けた慈恵病院の蓮田太二理事長は、実名にすることにより預けた母親が身元確認への恐怖心から病院の近くへ捨てるなどの事態があっていいのか、と匿名性の重要性を挙げて反論している。実名公表については平行線のままだが、何らかの対応が課題となっている。

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