今月5日発行の米科学誌ネイチャー・ジェネティクスで発表された研究論文によると、英エクセター大学などの国際研究チームが人間の身長を決める遺伝子変異を697個特定したことがわかった。
(参照:統合失調症治療に新たな希望 108個の遺伝子を特定)
Photo:Three Feet Tall By Tom Carmony
国際研究チームは、25万人以上のDNAを比較。その結果、遺伝情報の424の領域にある遺伝子変異697個を特定した。さらに、身長は8割以上が遺伝子変異により決まっており、2割未満が環境によるものとしている。身長に関する遺伝子変異の特定はこれまで全体の12.5%だったが、今回の発表は約20%に相当するという。2007年には英米合同研究チームが、遺伝子のDNA塩基配列のわずか1つの塩基の違いが身長差1センチにつながっているということを特定。また身長の高い人はがんを発症するリスクが高く、一方低い人は心臓病のリスクが高いという統計も出ている。
今回の国際研究チームの研究結果は身長に関する疾患治療へつながるとして大きな可能性があるとしている。