女性アスリートは激しい運動や体重制限によって無月経や疲労骨折などを起こすリスクが高いとして、専門に診察できる医師の育成の取り組みが進められてきた。順天堂大学は今月から順天堂医院と浦安病院で女性アスリート専門外来を開設する。
(参照:順天堂大学 女性スポーツ研究センターと女性アスリート外来を開設)
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順天堂大学は、9月1日に女性スポーツ研究センターの設立を発表。女性アスリート専門外来の開設にも取り組んできており、今月に外来を開始することとなった。外来は完全予約制となり保険も適用となる。診察には婦人科と整形外科の医師が担当し、スポーツ栄養学の専門家からのアドバイスも受けることができる。また、かかりつけ医と連携をとるなどして遠方に住む選手への治療も検討している。
国立スポーツ科学センターはロンドン五輪の選手と47競技団体の強化指定選手の計683人を対象に受診記録を調査。そのうち、約4割にあたる278人が月経周期に異常があると診断され、そのうち53人は無月経だった。無月経となると女性ホルモンが減り疲労骨折のリスクが高くなる。指導者を対象としたアンケートでも、月経を把握していない、また無月経を原因とした疲労骨折のリスクについて知らない指導者が半数近くいるなど理解不足が課題となっていた。