加速度的に感染が拡大するエボラ出血熱。世界保健機関(WHO)の報告によると、8日までに感染者が8399人、死亡者数は1カ月でほぼ倍増となる4033人に達した。アメリカは米軍を派遣することを決定し、国際医療NGO「国境なき医師団」は緊急で寄付を募ることを決定した。
(参照:エボラ出血熱 タイで治療に有効な抗体の生成に成功)
Photo:Where will Ebola strike next? By AJC1
8日までに7カ国が感染国として挙がっており、特に深刻な状況にあるのがリベリアやシエラレオネである。現地では治療に使えるベッドが不足しており、治療を受けられず家に帰らざるをえない患者もいるという。さらに迷信やデマを信じる一部地域住民は医療行為への不信感が強く、施設や治療にあたる関係者らを襲撃する事件も起きており、医療従事者の安全性や人員不足が懸念されている。
国境なき医師団は9日、異例となる緊急の9000万ユーロ(日本円で約120億円)の寄付を求めることを決めた。患者を治療するためのテントやベッドを増やしていくのが目的となる。さらに、アメリカは最大4000人の米軍をリベリアに派遣することを決定。医療センターの建設やスタッフの育成を行う。国際通貨基金(IMF)では、ギニア、リベリア、シエラレオネ3か国に計1億3000万ドル(日本円で約142億円)の支援を行うことを正式に決定するなど、国際的な支援・援助の動きも出ている。