田辺三菱製薬の連結子会社である田辺三菱製薬工場株式会社が注射剤の検査を怠っていたことが発覚したことを受け、厚生労働省は7月19日、田辺三菱製薬に対し業務改善命令を出した。また、田辺三菱製薬工場の足利工場がある栃木県は、同工場に対し7月20日から29日までの10日間の業務停止命令を出した。同社はこの決定を深く受け止め、医療関係者や患者らに深くお詫びしたいと声明を出している。
厚生労働省の発表によれば、田辺三菱製薬工場では少なくとも2007年4月から2011年4月までの4年の間、糖尿病の皮膚治療の際に用いている「リプル注」をはじめとする3種類の注射剤の重金属量などを調べる出荷前検査が一部行われていなかったという。なお、田辺三菱製薬は、今回の業務停止による同工場で生産している製品の安定供給への影響はないとしている。