財務省は、生活保護受給者の医療扶助費の予算編成のため、後発医薬品(ジェネリック医薬品)に切り替え医療扶助費を圧縮する意向であることを明らかにした。
(参照:家族にも薬の譲渡はダメ くすりの10か条を作成)
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2012年度の生活保護受給者は約216万人に達し、生活保護費は約3.6兆円に上る。受給者の医療費は医療扶助費で全額負担されており、同年の総額は1.7兆円となり生活保護費の約半分を占めている。政府の2009年の調査によると、生活保護受給者のうち2日に1回の割合で医療機関を受診している人は1万8000人以上ということがわかっている。過剰受診と判断された受給者には指導が入ったが、改善されたのはそのうち約3割程度だった。また医療扶助費が膨大になっている理由として、受給者の医療費の自己負担がないために気軽に受診する機会が多いからということだけでなく、医療機関側による不正が起こっていることも挙げられる。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許期間が切れた後に同じ成分で作るため研究開発費もかからず、先発医薬品よりも低価格で提供することができる。2012年度より生活保護受給者にはジェネリック医薬品使用を促進していたが、これから積極的に取り入れることでより効率的な医療扶助費の運用が見込まれる。