27日、大阪大学病院は心臓弁移植手術に成功したことを発表した。脱細胞化という処理をしており、手術では国内で初となる。男性患者の術後の経過は良好だという。
(参照:世界初 iPS細胞による網膜再生手術 政府は今後の手術支援に前向き)
Photo:BIO 120 Heart Model II 005 By djneight
初めて人工心臓弁の手術が行われたのは1952年のことである。その後、医療の進歩を経て現在では金属で作った機械弁や牛や豚の動物の弁を使った生体弁の2種類の方法が採られている。しかりリスクもあり、機械弁は血栓症になる可能性が高く、動物の生体弁は5〜10年程で機能しなくなるため何度も手術をする必要があった。脱細胞化は薬剤などで臓器から細胞を取り除きたんぱく質の構造のみを残すことだが、この処理を行うことによって受入先の体内へスムーズに入り込み長期間の安定も見込まれる。
男性は生まれつき心臓の弁に異常があるファロー四徴症であり、2歳の時に弁を広げる手術を受けていた。しかし、何回も手術を受ける必要があったことや、弁移植を受けないと不整脈などで突然死する可能性もあったことから、新しい方法で手術を行うことに同意したという。