2014年1~8月までの振り込め詐欺被害件数が昨年1年間の件数を上回り、増加の一途をたどっている。その中でもとくに多いのが還付金詐欺である。警察や各自治体では注意を呼びかけ、銀行も声かけを行うなど注意喚起に取り組んでいる。
(参照:広島 医療費還付金詐欺による被害が相次ぐ)
Photo:Hugo By Markus Bollingmo
医療還付金詐欺は2007年の「消えた年金問題」から広まったもので、高齢者をターゲットに「医療費が戻ってくる」と言ってATMなどへの振込みを促すのが詐欺グループの手口である。「振り込め詐欺救済法」により詐欺グループの口座を凍結することでお金が持ち主のもとに返ってくることもあるが、詐欺グループがすぐにお金を引き出してしまうケースも多く、口座を凍結してもすでにお金が残っておらず一銭も戻らないこともある。実際に2013年の被害のうち55.7%のケースでは救済されなかった。
詐欺グループは市役所や社会保険事務所等の職員などを偽り電話をしてくるが、還付金の手続きは金融機関やATMでは絶対にすることはできない。還付金詐欺だけではなく、親族を名乗った振り込め詐欺も未だ被害件数は多く、日頃から家族とまめに連絡を取り合ったり、合い言葉を決めるなどの対策が必要である。