アジアやアフリカなど海外旅行で感染するケースが大半だった腸チフス。しかし近年では国内でも感染するケースが相次ぎ、国立感染症研究所は飲食店などに徹底した予防を呼びかけている。
(参照:身近なペットにも注意を払って ズーノーシス予防対策)
Photo:Typhoid bacteria (Salmonella typhi) By Sanofi Pasteur
腸チフスは8~14日間の潜伏期の後に発症する。症状としては、発熱や頭痛、発疹、下痢がある。たいていは感染者の尿・便で汚染された水や食品を摂取することにより感染する。ワクチンは日本では承認されていないため、海外からワクチンを輸入している一部の医療機関でしか受けることが出来ない。
腸チフスは毎年20〜35件ほどの感染報告があり、その8割近くは海外旅行先での感染が確認されていた。しかし、海外渡航歴がなく感染するケースが相次いで報告されている。今年9月には飲食店で集団食中毒が発生。国立感染症研究所は手洗いの徹底、水・食べ物を充分に加熱し東南・南アジアやアフリカなどの地域ではより予防を徹底するように呼びかけている。