米国食品医薬品局(FDA)は、Solgar社の健康食品ABC Dophilus Powder(エービーシードフィルスパウダー)について、ムーコル症を引き起こす可能性があるとして注意を呼びかけている。
(参照:性感染症、若年層患者が増加 若者の性の認識は)
ムーコル症とは接合菌症とも言われ、深在性真菌感染症の一種であり、主に浮遊した真菌を吸い込み鼻腔や肺などの臓器に真菌が侵入することにより感染・発症する。真菌自体は生活環境の中に一般的にいるが、ワクチンなどによる予防法はなく免疫力の低い患者だと発症しやすく死に至る可能性もある。
アメリカでは先月、32週未満の未熟児に治療の一環としてエービーシードフィルスパウダーを用いたが、患者は合併症を起こし同月11日に死亡した。今回、該当商品がムーコル症を引き起こすクモノスカビに汚染されているとして製造事業者が回収を行っており、消費者はその摂取を控えるようFDAは注意を呼びかけている。国内では該当商品を輸入している実績はないが、個人輸入の場合もあるため厚生労働省は各都道府県に注意喚起を依頼している。