12月1日は世界エイズデー。世界保健機関(WHO)が1988年に制定したもので、毎年世界中でエイズの蔓延防止や差別・偏見を解消するための啓発活動が行われている。
(参照:エイズ流行の終結は可能か 抗HIV薬による治療の課題)
Photo:Support For International AIDS Memorial Day By Sham Hardy
日本国内だけでも累計約2万3000人以上の患者がおり、毎年約1500万人以上が新たにHIV感染者・エイズ患者と診断されている。HIV感染者の治療には抗レトロウイルス薬(ARV)が投与される。根本的な治療薬の開発は難しいとされるも、エイズ発症をコントロールする薬が開発されており、国内だけでも20種類以上の薬が承認されている。
しかし、国境なき医師団は治療形態について現状から変えていく必要があるとして警鐘を鳴らしている。エイズ蔓延国である南アフリカ共和国やコンゴ共和国などでは、支援をしようにも規制局からの援助や推進が充分であるとは言えず、HIVやエイズ・結核の専門家でなければ公認を受け資金を得ることができないなどの規制がかかることによって、地域社会での薬剤の配布やHIV検査の機会が失われている。国境なき医師団は、より多くの患者が治療を受けるには、それぞれの地域社会主導の治療や患者の要望に対する適切な治療が必要であることを訴えている。