12月は多くの感染症流行がピークを迎える時期とされる。RSウイルス感染症もそのひとつで、重症の場合は肺炎になる恐れもある。今年は11月中旬から乳幼児の患者数が増加し、2003年以降で最多となっている。
(参照:増加する手足口病患者・・・警報基準値超える地域が続出)
Photo:Respiratory syncytial virus By AJC1
RSウイルスとは、生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%の子どもが1度は感染すると言われている感染症である。症状は軽い風邪のようなものであるが、重症化すると肺炎になる恐れもある。初めて感染発症になった場合は症状が重くなりやすいこともあり、生後数週間~数カ月間の乳児期早期は特に注意が必要になる。乳幼児の感染者のうち7割には通常の風邪のような症状が表れるが、3割は痰がつまったり、呼吸数が増えるなどの症状がみられる。
RSウイルスは例年12月に流行のピークを迎え、3月頃にはピークは落ち着いてくる。RSウイルス感染症は、飛沫感染と接触感染が感染経路となる。咳などの症状が疑われた場合、医療機関で早めに受診することが大切であり、咳等の呼吸器症状のある人はなるべく乳幼児との接触を避けることが予防につながる。