ワクチンがあれば防げる感染症で命を落とす子どもは数多くおり、発展途上国では深刻な問題となっている。途上国の子ども達のワクチン接種率を向上するため、日本でも取り組みが進められている。
(参照:エボラ流行の影響ではしかの感染者増加 予防接種率低下が原因か)
Photo:People wait for MenAfriVac™ shot in Burkina Faso By PATH global health
ワクチンがないために1日に4000人の子どもの命が失われていると言われており、とくに途上国ではその問題が顕著である。国境なき医師団(MSF)は、製薬大手グラクソ・スミスクライン社とファイザー社に対し、ワクチンの価格を下げるよう要請をした。この要請は、肺炎球菌ワクチンの価格を途上国の子供1人当たり5ドルに下げるというものである。GSKはこれに対し、「製造と供給には多額の費用がかかり、これ以上の値下げは長期的な供給を脅かす」と反論している。
日本では昨年9月にJICAとMSFがセミナーを共同開催し、予防接種の課題解決に向けて日本ができることについて話し合われた。途上国での予防接種の現状とワクチンの資機材、輸送の取り組み、ワクチン製造技術の移転プロジェクトについても同じく議論され、情報発信・啓発活動としても有意義なセミナーとなった。これからは長期的に日本の技術の橋渡しをするとともに、途上国の子どもたちの予防接種のアクセス向上に努めていく方針である。