医療サービスを受けることを目的とした旅行は医療観光(メディカル・ツーリズム)と言われ、医療費の高いアメリカの患者や富裕層にとくに人気を博している新しい産業である。このメディカル・ツーリズムは、価格競争力の高さ、医療水準の高さといった利便性をもつアジアを中心に急成長を遂げている。
(参照:複数の症状を訴える患者の診断方法 過半数以上の医師が「まずは一元論的に」)
Photo:Korea Medical Tourism – KTO – Our Awesome Planet-9.jpg By OURAWESOMEPLANET: PHILS #1 FOOD AND TRAVEL BLOG
診断や治療などを目的として海外へ旅行する医療観光は近年急成長を遂げている。とくにアジアで拡大しており、タイやシンガポールなどでは一種の産業と位置づけて取り組んでいるほどである。米国など医療費の高い国の患者や富裕層を中心に医療観光は増加傾向となっており、今後も拡大すると予想される。
医療観光のメリットとして一番大きいのは治療費が安くなるという点である。米国と比べると渡航費を合わせても海外、とくにアジア圏の方が安くなるケースは多い。さらに、受け入れ国は国際的な評価制度であるJCI認証を取り入れるなど、高い安全基準を有することで先進国に見劣りしない医療水準を保っている。その他、様々な言語や習慣に対応するなど外国人向けのサービスも充実していることから、患者は安心して治療を受けやすい。日本では、外国人患者は全体では約4万6000人程で、医療観光はそのうち約500人で1%ほどと規模はさほど大きくないのが現状である。