日本人の30歳以上の約3割は脂質異常症患者または予備軍とされているが、半数以上が治療を受けていないのが現状である。脂質異常症は治療をせずにそのままにしておくと、動脈硬化が進み心筋梗塞や脳卒中などの合併症を引き起こしやすくなる。
(参照:骨粗しょう症患者 2人に1人が骨折に気付かず)
Photo:Cholesterol emboli By Boonyarit Cheunsuchon
塩野義製薬株式会社は、糖尿病患者、高血圧患者、脂質異常症患者400名を対象に治療満足度などの実態を調査する「T-CARE Survey Plus(ティーケア・サーベイ プラス)」を実施。調査の結果、多くの患者が糖尿病や高血圧に比べて脂質異常症への関心が低いことが明らかになった。合併症を有する脂質異常症患者に関しては、自身の糖尿病や高血圧の状態を理解していると回答したのは8割弱であったが、脂質異常症を理解していたのは6割弱だった。また、自身の血糖値や血圧を把握している人は9割以上だったが、コレステロール値を把握している人は7割近くで、3割の患者はコレステロール値の管理目標値を知らなかった。
年代別にみると、治療に前向きに取り組んでいると答えたのは60代が78.3%と最も高く、30代では42.9%と若い世代ほど治療に前向きに進んでいる人が少なかった。塩野義製薬株式会社は、医療従事者が日常診療を通じて患者個人の状態を把握し、その家族にも適切な説明・アドバイスをする『トータルケア』を行うことが患者のQOL向上にもつながるとしている。