桃井眞里子先生 中途半端でやり抜こう!

一日は誰にとっても24時間しかありません。育児に時間を費やせば、医師としての時間はそれだけ少なくなります。仕事にのめりこめる男性医師を見ていると焦燥感でいっぱいで、妊娠中休んでいてもつらい、という女性医師もいます。 完璧主義ですと両立の中にある不完全燃焼感の持続に耐え切れずに、医師としての時間を手放す女性医師もたくさん見てきました。こんな中途半端な仕事しかできないなら、いっそやめたほうが楽、というわけです。 しかし、人生に完璧主義はしばしば禁物です。子どもを育てることから得る人生最大の教訓は、人生に完璧主義は似合わない、ということのはずです。


大学の同級生の友人は基礎研究者を目指しました。子どもが生まれた後の年賀状には、中途半端でやり抜こう!とありました。以降、毎年の年賀状には子どもの成長が書かれ、中途半端でやりぬいた結果、研究者人生を全うしつつあります。 真夜中まで仕事をする男性医師をうらやむよりも、真夜中まで仕事をしてあの程度?と思いなさい、と若い女性医師には小さな声で囁きます。そういう発想の転換は仕事への意欲を維持することにとても役立ちます。 それぞれがそれぞれの魔法の言葉を持ちつつ、子育ても仕事も時間的にはあくせくと、気分的には悠々と女性ならではのキャリアを築くことで、この国のあり方はより豊かにあるにちがいありません。


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岩瀬拓士 先生
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>>岩瀬拓士 先生の記事を読む【インタビュー後篇】女性医師たちの現場では何が起きているのか?

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