七沢塾~カリスマ講師直伝連載コラム~
精神的な環境整備が医学部合格のカギとなる!
現実的には、環境整備から始めたい。学校選びである。医学部受験となると偏差値の高い中学・高校を選ぶのが常套で、理想的には灘や開成、桜蔭、
国立大附属あたりに通っていれば東大志願者や医学部志願者が多いから、自然に情報は入ってくるし、モティベーションも上がる。問題は中堅校の選択だろう。
医学部進学者または志願の数の多い学校を選ぶのはもちろん、気を付けたいのは、評定平均の取りやすい学校を選ぶことである。
豊島岡や白百合は女子校の中でも医学志願者が比較的多いが、評定は厳しく内申点を取りにくい。一方、桐蔭学園や桐朋、日大系列校、田園調布雙葉など評定が甘い高校もある。
そして、カトリック系の学校は奉仕活動が盛んだから、調査書の内容、面接などでは有利だ。全寮制の秀明学園は医学部志願者の率が高く、
評定も甘い(埼玉の僻地にあるので塾や予備校を利用するのは困難)。などなど。では公立高校はどうかと言えば、各都道府県のトップ校なら出身高校としての問題はない。
しかし、国公立医学部を目指す傾向が生徒だけでなく教員にも根強くあるので、私大医学部にはめっぽう弱い。浪人は必至である。しかし、部活動などで活躍し、推薦試験を狙う手もある。
成績が良ければ国立の推薦プラス一般受験で戦えばいい。
日常の学習で気になることは、経済力に任せて塾や家庭教師をぎっしり詰めている生徒を見かけるが、たくさん与えればいいわけでない。
20年以上受験生の指導に当たってきた私が個人的に思うのは、成功の秘訣は、本人はもちろん、家族の持続力である。そろばんでも公文式でも地元の個人塾でも、
ある一定のレベルがあれば、の条件付きだが、長く続ければ相当の効果がある。学力はともかく、単調な学習に耐える精神力がつくし、マンネリ化を防ぐために教える側も教わる側も工夫を強いられる。
続けることがお互いに信頼関係を作る。いい人間関係が存在するとそれを壊すことを恐れるし、維持するために忍耐や要領を覚える。
逆に、問題があればすぐに止めたり交換したりすると、塾や講師のあら探しが主眼になり、止める口実を探すことにエネルギーが費やされてしまう。
しかも、子どもの目から見て、塾や講師は単なる道具になってしまう。実際に高校生のナマの声として、「うちの家庭教師は使えないから、今度東大の医学部の学生に替えようと思っている」など、
師に対する尊敬や畏怖の念など遠い昔のおとぎ話か。とにかくよく吟味して選んだら、後は黙って1~2年は続けるべきである。中学でも高校でも、受験学年になって問題があれば再考すればいい。
また、家庭でも、時々親の気まぐれで単語のテストや書き取りなど始める場合があるだろうが、やること自体は実に結構。しかし、これも長く続かなければ逆効果だ。
親の持続力のなさは子どもに言い訳の材料を提供するし、そもそも親が持続失敗してしまっては子どもにできるわけなどない。一度やると決めたら、何があっても1年続ける覚悟で臨んで欲しい。
軽いノリで勉強に付き合ってしまうのは予想以上に悪影響を及ぼすのだ。どれほど疲れていようと、行事があろうと、毎日一定時間机に向かって静かにノートを開き、自分の力で学習する。
地味ではあるが自学自習の精神を鍛えることで、将来医師となる資質もつけられよう。子どもの学習環境は物理的・空間的なものだけでなく、精神的な環境整備が重要なのである。
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【塾、予備校選びのポイント】
塾、予備校選びのポイントは次回。家庭教師の利用の仕方なども含め、効果的な子弟の誘導法を提案させて頂く予定。
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【バックナンバー】
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・第3回 学習塾を選ぶための条件パートⅠ
・第4回 学習塾を選ぶための条件パートⅡ
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・第6回 医学部進学のために中高一貫校は有利なのか?PartⅠ
・第7回 医学部進学のために中高一貫校は有利なのか?PartⅡ
・第8回 医学部志望動機を高めるために PartⅠ
・第9回 医学部志望動機を高めるために PartⅡ
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・第11回 今年度医学部受験報告!
・第12回 一般受験の成功例の1年間の指導とその勝因を探ってみたい。
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・第17回 震災、津波のあと 2011年6月29日更新
・第18回 お医者さんになろうPartⅠ ~医学部に入るためには~
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